毛ガニの生態

毛ガニ

毛ガニは動物界-節足動物門-甲殻綱-十脚目-短尾下目-クリガニ科-ケガニ属に属するカニの一種です。

甲羅や脚に毛が生えていることが特徴です。
なお、毛ガニは身が小さいことから、かつては食用としては利用されていませんでした。
日本で毛ガニが食卓に上るようになったのは、戦後に入ってからのことです。
それまでは肥料としての利用が中心でした。
もったいない。

概要・基本情報

項目 内容
外見 甲羅の長さは最大で15㎝ほど
雄のほうが雌よりも大きい
全身に短い剛毛が生えている
脚は短い
丸い甲羅(雄は楕円形)の周辺には棘状の突起がある
両目の間に角状に2本の突起がある
淡褐色
5対10本
うち1対2本がハサミ
食用 身が少なく、カニ味噌に需要がある
味噌はカニの中でも美味しいとされている

学名・名前の由来

毛ガニの和名は、その全身に毛が生えているところからきています。
そのままずばり「毛の生えたカニ」。
別名「大栗蟹(オオクリガニ)」と呼ばれることもあります。

毛ガニの学名は「Erimacrus isenbeckii」です。
意味は不明です。

英語では「Horsehair crab」といいます。
「Horsehair(馬の毛)」の生えた「crab(カニ)」ということになりますが、毛ガニに生えている毛は馬の毛のようには長くありません。

毛ガニの生息域

毛ガニは、海水温の低い地域を好み、水深数十メートルから200mほどの海底に棲んでいます。
海域としては、オホーツク海、ベーリング海、アラスカ近海、太平洋(宮城沖以北)、日本海(朝鮮半島以北、福井沖以北)となります。

日本では、毛ガニの主な産地は北海道です。
水揚げの減少によって、漁獲は厳しく制限されており、甲羅の長さ8㎝以上の雄以外の量は禁止されています。
なお、近年、卵を抱えた雌を捕獲し、卵をふ化させてから稚魚を放流するようにしたところ、漁獲量が安定してきたといいます。

北海道では1年を通して量が行われていますが、シーズンによって漁場が異なります。

季節 漁場
オホーツク海
噴火湾
釧路、根室沿岸
十勝沿岸

毛ガニの雄雌の違い


毛ガニは雄のほうが雌よりも体が大きくなります。
市場に出回っている毛ガニはすべて雄です。
雌は漁獲が禁止されており、市場に出回ることがないのです。
したがって、一般的に雄雌を見分ける必要はありません。

カニは脱皮によって成長しますが、毛ガニの雄は1年周期で脱皮するのに対して、雌は2,3年周期で脱皮するため、成長に制限があります。

毛ガニの食性と天敵

毛ガニは肉食です。
多毛類(ゴカイなど)、貝類、甲殻類、ベントス(底生生物)を主食としています。

天敵としては、オオカミウオ、ミズダコなどがあります。

毛ガニの旬や食べ頃の時期

毛ガニの漁は1年を通して行われており、いつでも食べることができますが、冬が旬だと言われています。
毛ガニは、タラバガニやズワイガニなどのカニと比べると身が少ないですが、身には甘味があり人気があります。
そのまま食べるだけでなく、缶詰として加工されることが多いようです。

なお、毛ガニの甲羅は生きているときから赤く、茹でても色が変わりません。

参照サイト
ウィキペディア-ケガニ
魚貝図鑑-毛ガニ
コトバンク-毛蟹

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